2011年10月23日日曜日

先日のコンサートのご報告とご挨拶(Herzlichen Dank!!)


                               (Photo von Frank Wallerstein)

10月16日の日曜日、
予定通りにデュッセルドルフの
stilwerk forumの地下ホールにて
PIANOSOLIの定期コンサートが行われました。
お忙しい中、コンサート会場まで足をお運び頂いた皆様に
PIANOSOLI一同、御礼申し上げます。

今回のコンサートでは、
少し前にブログでお知らせしましたように、
フランツ・リストの生誕200年記念ということで、
フランツ・リストの作品をメンバーが個々に選び、演奏致しました。
リストの誕生日は10月22日とされています。
ドイツでは本来、お誕生日の前祝はしないはずなのですが、
そこはリストにちょっと目をつぶってもらった形です。
ここ数日の明るく気持ちの良い、晩秋のお天気に、マエストロもすっかり
気分良く、天上でくつろいでいるのではないでしょうか。

2012年のPIANOSOLIは、6月頃に、テーマ無しの定期コンサート、
秋にはドビュッシー生誕150年コンサートを予定しております。
期日が迫りましたらまた、ブログ、メール(リスト登録のお客様宛て)
でお知らせしたいと思います。

次回のコンサートまで間はありますが、皆様に楽しんで頂く為に、
私たち、“PIANOSOLI”はまた新たな段階へと進んでいけますように、
精進を怠らず、なお且つ、また自分たちもそれを楽しみながら、
2012年へと向かっていきたく思っておりますので、
これからも応援宜しくお願い致します!^^

また皆様にお目にかかれる日を楽しみに、、。

PIANOSOLI


Liebe Leser und Leserinnen,

wie wir bevor hier Ihnen benachrichtigt haben,
haben wir am Sonntag 16.Oktober,
erfolgreich mit schönes Konzert 200 Gerburts-Jahre
von Franz Liszt gefeiert.

wir bedanken uns herzlich,
für den Besucher an dem Tag unseres Konzertes.
Wir hoffen das Sie mit uns
diese Musikstunde der Genie zusammen genossen haben.

wir „PIANOSOLI“ planen für nächstes Jahr 2012
zwei Konzerte.
Erste Konzert wird wahrscheinlich am Juni mit „ohne Themen“,
und zweite am Herbst,
150 Jahre Geburtsjahr Jubiläums-Konzert für Claude Debussy!
Kurz vor dem Konzert werden wir Sie informieren,
mit diesem Blog und E-mail für Besucher von letzte Konzert,
welche sich bei unsere Zuhörer-Liste eingetragen haben.

Wir wünschen Ihnen diese wunderschönen Herbstferien noch zu geniessen,
und schöne Zeit noch weiter hin!!!!!
Auf wiedersehen im Jahr 2012.

Alles Liebe von PIANOSOLI

2011年10月2日日曜日

次回のコンサートのお知らせ(Einladung zum naechsten Konzert)



もう10月だというのに、夏日のような毎日ですね。
この時期になると、毎年
日も短くなり、気温も少しずつ下がって来て
冬に入る前に、気持の準備のシートベルトを
かける頃ですが、今年は夏が涼しかったから
そのお釣が来ているのでしょうか。。

今日は
わたしたち、PIANOSOLIの今年第二弾のコンサートの
お知らせと、ご招待の記事を皆さんに
お届けしたいと思います。

今回PIANOSOLIのコンサートのテーマは、
フランツ・リストの200年誕生年です。
皆様のご来場を心待ちにして
準備しておりますので、
お友達を誘って気軽に楽しみにいらして下さい。

<プログラム、コンサートの詳細>
・ハンガリー狂詩曲 第2番(1847)
・『巡礼の年 第2年 イタリア』より ソナタ風幻想曲『ダンテを読んで』
・オペラ編曲 「トリスタンとイゾルデ」より「愛の死」
・「リゴレット」(演奏会用パラフレーズ)
・リスト ピアノソナタ ロ短調

場所:Stilwerk 地下ホール(ベヒシュタイン隣接)
日時:2011年 10月16日 15時(14時半入場)
入場無料(今後の活動のために、募金箱を設置させていただいています。
皆様のご協力に感謝致します。)
協力:C.Bechsteinデュッセルドルフ

メンバーのそれぞれが演奏する曲目について
記事を書きましたので、よろしければ
併せてご覧下さい。


Guten Tag,
meine Damen und Herren!

trotz diesem extreme schönes Oktober Wetter,
bleiben wir zu Hause.
wir "PIANOSOLI" sind für Sie wieder dabei,
diesmal für Franz Liszt seinem 200 Jahre Geburtstag mitzufeiern.

ich freue mich Sie wieder zu unseren Konzert einladen zukönnen.
das wird bestimmt ein schönes Konzert,
die Werke von Franz Liszt sind virtuoso,Unterhaltsam,
fürs Publikum ein reines Vergnügen.

leider ist diese Blog hauptsächlich auf Japanische geschrieben.
wenn Sie trotzdem von dem Künstlern mehr erfahren möchten,
bitte nutzen Sie den Google Übersetzer-Funktion.
wir haben über die Werke die an diesem Tag gespielt werden,
mehr beschrieben.

wir wünschen Ihnen noch schöne Herbsttage,
hoffentlich bis bald wieder!

***Programm***
-Ungarische Rhapsodie Nr.2
-Après une Lecture du Dante
-Isoldes Liebestod
-Rigoletto(Paraphrase de concert)
-h-moll Sonate

Sonntag 16.Oktober.2011 Um15Uhr
Im stillwerk forum
(Grünstr.15 40212 Düsseldorf)
Eintritt frei
(wir freuen uns über Ihre kleine Unterstützung)
Mit freundlicher Unterstützung von C.Bechstein Centrum Düsseldorf

ハンガリー狂詩曲第2番

ハンガリー狂詩曲 第2番(1847)(1851年出版)

ハンガリー狂詩曲は、全19曲からなる作品集で、
最初の15曲は、1851~53年にかけて出版された。
最後の4曲は、晩年1882~85年に作られたもの。

リストは、愛国心の強かった作曲家の一人。
祖国に対する愛情からハンガリーの民族的旋律や
リズムを生かした様々な曲を書いています。
(ただし、リストがハンガリー古来の民謡だと思って取り入れていたものは、
実は違っていたという説もある)

幼少のころ、ハンガリーの田舎で生活し、
その後、リストの才能を伸ばすために一家をあげて11歳でウィーンへ、
その後、パリへと移住。
世界的な大ピアニストとなったリストでしたが、
祖国への想いが消えることはありませんでした。
実際、彼が再び故郷を訪れたのは、1839年。
以前、ドナウ川の大洪水でハンガリーがひどい災害を受けた時、
音楽会を開催し、多額の救済金を祖国に送っています。

このとき、リストは国を挙げての歓迎を受け、
非常な感激をおぼえ、翌年から”ハンガリーの民族的旋律集“と題する曲集を出版し、
これがのちに”ハンガリー狂詩曲”にまで発展していったのです。

第2番はこの作品集の中でももっとも有名で、
皆さん、トムとジェリーでもお馴染みではないでしょうか?

高校生の時、数曲弾いたハンガリー狂詩曲のうちの一つ。
この曲を弾くと、当時を思い出し、どうしても日本のことが想われます。
リストが祖国の災害に悲痛な想いでいたように、現在、私たちも同様です。
音楽が、少しでも多くの人々を
元気づけることができれば・・・という気持ちでいっぱいです。

江藤早織

『巡礼の年 第2年 イタリア』より               ソナタ風幻想曲『ダンテを読んで』

リスト生誕200年記念!と銘打った今回の企画。
この機会に、これまでの『リスト氏との関わり』について、
思い出してみることにしました。

初めての出会いは、小学校の音楽室に飾られた肖像画。
居並ぶ作曲家諸氏の中で
『スッキリとした顔立ち、細身の身体、ワンレングス』というお姿に、
少し違和感を覚えたような…。
その後『偉大なピアニストでもあり、
普通の人では弾けないような難曲をたくさん書いた作曲家』
という情報を入手して、
子ども心に『自分とは関係ない超人』と位置づけておりました。

中学生のころ、ピアノの発表会でリストの曲を聴いたときも
『確かに難しそう…。自分にはまだまだ!』と思っていましたので、
初めて自分で演奏したのは、高校入学後。

購入したエチュード集の楽譜には、
これまでに見たことのないような真っ黒なページもあって、大ショック。

それ以降、いくつかリストの作品を演奏しましたが、
毎回『何だか必死?!』というイメージがつきまとい、
残念ながら、いまひとつ充実感が湧かず…。

さらに、ピアニスト・指揮者・作曲家・教育者・著述家としての
幅広い活動と偉大な業績、数々の女性関係のエピソードなどを知るにつけ、
ますますリスト氏の人となりを想像するのが難しくなり…。

そんな中で、私にも親しみが持てそうだったのは
『地獄や悪魔を題材にした物語』が好きそうなところ?!

今回、演奏する『ダンテを読んで』は、
リストが6歳年上の伯爵夫人とのイタリア滞在中、
かの地で感銘を受けた芸術作品や文学作品の印象をまとめた
『巡礼の年 第2年 イタリア』の第7曲。

リストが繰り返し読んだダンテの
『神曲』から霊感を得て書き上げた、壮大な幻想曲です。

『地獄・練獄・天国』とダンテ自身が巡っていく物語を象徴するように、
同じ音型が、果てしなく続く苦しみや、
光に包まれて救済されていくイメージを伴って、
何度も繰り返され、曲集の最後を飾るにふさわしい輝かしいフィナーレを迎えます。

今回の演奏と200歳のお誕生日を機に、
多少なりともリスト氏とお近づきになれると嬉しいのですが?!

藤枝有紀子

トリスタンとイゾルデより「愛の死」、リゴレット・パラフレーズ

今回選んだ、2曲の演奏会用パラフレーズはどちらも、
大変有名なオペラ作品を
下敷きにして作られた作品です。
今日このブログでは、リスト本人のことは少し横において、
これらの元になった作品、作曲家
について何か書いてみたいと思います。


ジュゼッペ・ヴェルディ、リヒャルト・ワーグナー。
オペラ史において巨人のような存在、今もオペラ座で演奏され続ける
主要なレパートリーになる偉大な作品群を遺した二人の作曲家。
しかし、あまりにもイメージが違いすぎてこの二人が
まったく同じ誕生年に生まれているとは、ちょっと想像がつきません。
(1813年生まれ。リストのふたつ年下ですね。)

二人が、同席することは一生のうちで一度もなかったらしいのですが、
ヴェルディは、晩年ワーグナーを意識し、
オーケストレーションなどをあえて勉強もし、
自分の作品に反映したとされています。

ワーグナーとリストは、いうまでもなく、
リストの娘コジマが後年奥さんになるぐらいの(?)濃ゆ~い交友関係がありました。
ちなみに、リストが心筋梗塞で亡くなる直前にバイロイト音楽祭で観ていたのが
(当時からあったんですね。。)ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」だったそうです。
でも、オペラを観た直後に亡くなるとは、大作曲家らしい死に方だなあ、と思ってしまいます。

この「トリスタンとイゾルデ」の中から、第3幕3場のイゾルデのアリア
愛の死」をテーマに作られたのが、今回演奏するリストの編曲篇です。
「トリスタンとイゾルデ」についてワーグナーは
「あらゆる夢の中で最も麗しい夢への記念碑」と語っています。
フリードリヒ・ニーチェ曰く、
「私は今日でも尚『トリスタン』と同じくらい危険な魅力を持ち、
同じくらい戦慄的で甘美な無限性を具えた作品を探しているのだが、依然として見つからない。
――芸術の全領域を探しても見つからないと思っている。
レオナルド・ダ・ヴィンチの示すあらゆる異様な魅力も、
『トリスタン』の最初の一音で魔力を失ってしまうであろう。
この作品こそ、断じてヴァーグナーの最高の絶品である。」
危険で、戦慄的で、しかも甘美、、、。
なんだかぞくぞくっとして来て、観てみたい気がしてきませんか。

リゴレットは、ヴェルディのオペラでは醍醐味のひとつとなる、
登場人物の心理描写がとても面白いオペラです。
元々ヴェルディが「呪い」というオペラの名前を考えていて、
台本作家のピアーヴェに反対して止められ、
道化役者の主人公「リゴレット」の名になったらしいのですが、
正に「呪い」としか言いようのない、これでもかというような、
神も仏もない、だからこそのザ・オペラなミゼラーブルなお話です。
劇中のアリアとしては、ピザのCMにまでも(!)出てきて、
もはや、歌謡曲のようにポピュラーな「女心の歌」が最も有名で、
踏んだりけったりの運命、世にも気の毒な女性、
ジルダの「慕わしき人の名は」もコロのアリアとして、耳に馴染みのある曲です。
リストが編曲したパラフレーズでは「美しい恋の乙女よ」                      

第三幕の四重唱のテーマを主題に作られています。
みなさんのオペラ体験のきっかけになるような、
どきどきわくわくのオペラの世界のエキスが、
少しでも表現できますように
楽しくスリリングに演奏できたらと思います。

注:赤いリンクの文字をクリックすると、
元のオペラのテーマの映像を観る事ができます。

梅谷初

ピアノソナタ ロ短調

リストは、多数のピアノ曲を残しましたが、
「ソナタ」と名がつくものは、唯一このロ短調ソナタです。
リストの最も実り多い時期に作曲され、彼の最高傑作であると同時に、
現在ではロマン派を代表する重要なピアノ曲のひとつとなっています。

しかし、この曲が初演された当時は、「賛成」「反対」の意見が真っ二つに
分かれ、歴史上もっとも大きな論争になり、それは長い間続いたといわれます。
ソナタといえど、その形式よりはずっと自由で、革新的な曲だったからです。
ワーグナーは賛成派 、そしてこの曲が贈られたR.シューマンの妻
クララ・シューマンやブラームス、は皮肉にも反対派でした。
献呈されたロベルト・シューマンは、その時すでに、病んでいたということです。

もし・・・私がその当時生きていて、まだ近・現代音楽や他のジャンルの音楽を知らない私が
はじめてこの曲を聴いたなら・・・どう感じただろうか。賛・否のどちらに属するのだろうか?
・・・と、つい、そんなことを想像してしまいます。
どちらにしても、この曲の威厳にあふれる力強さに圧倒され、美しい世界に引き込まれてしまう
ことは間違いないでしょう。

数少ないモチーフが、約30分連続して演奏されるこの曲の至る所に、
天使のように、そして、時折悪魔のように姿を変えながら現れ、
統一感をなしているのが特徴です。
まるで、一人の人間にも美と悪が共存しているんだ、と言っているかのように・・・。

暗い影、祈るような一筋の光、また内面から情熱が迸り、燃え尽きるドラマチックな曲であり、
私たちを別世界へ引き込んで行ってくれます。
大作であると同時に、技巧的にも大変難しい曲。
自分なりにリストをどこまで追求できるかが課題です。

是非、みなさんも一緒にリストの世界を体験してみてください。

ヴァラーシュタイン西原典恵

2011年4月2日土曜日

東北地方太平洋沖地震チャリティーコンサート詳細



東北地方太平洋沖地震チャリティーコンサートのちらしが出来上がりました。

プログラムは以下の通り。

♪♪プログラム♪♪

テレマン    トリオ
                    青田純子(フルート)
                    デューラー小林佐和子(オーボエ)
                    松谷尚子(ファゴット)

ヴェルディ   「リゴレット」より 「慕わしきひとの名は」        
メンデルスゾーン 「歌の翼に」
                    田井美智子(ソプラノ)
                    梅谷初(ピアノ)

リスト      愛の夢
                    梅谷初(ピアノ)

フォーレ     ロマンスop.69
フォーレ     ソナタop.109 より第2楽章
                    森田満留(チェロ)
                    森田竜一(ピアノ)

<休憩20分>

バッハ      シチリアーノ    
見岳章      川の流れのように
                    吉田佳正(ギター)

シューベルト   即興曲 変ト長調
                    ブルマー美由紀(ピアノ)

プーランク    トリオ
                    デューラー小林佐和子(オーボエ)
                    松谷尚子(ファゴット)
                    江藤早織(ピアノ)

ウェーバー    トリオより「羊飼いの嘆きの歌」
                    青田純子(フルート)
                    森田満留(チェロ)
                    森田竜一(ピアノ)

演奏者のプロフィールなどはこちらでご覧下さい。
当日19時までに会場に来られる方は、座席の予約が可能です。
(整理券の配布があります)予約は、junjunaoao@gmx.de(日本語)もしくは
電話 0211-43021457(ドイツ語 留守電に名前、枚数を伝えること)

ドイツ赤十字社のHP、トップに紹介されています。
https://www.drk-duesseldorf.de/

2011年3月26日土曜日

PIANOSOLIメンバー参加のチャリティーコンサート

こんにちは。
チャリティーコンサートの
日取り、場所が決まりましたので
お知らせします。

東北地方太平洋沖地震
チャリティーコンサート
~10人の日本人音楽家による~


2011年4月8日(金)

19時半開演

場所:Haus der Ärzteschaft
Tersteegenstr.9
U78 U79 Theodor-Heuss Brücke駅から徒歩5分

入場料無料(会場内に募金箱を設置、
収益は全てドイツ赤十字を通して寄付され、日本に送られます。)

後援、協力在デュッセルドルフ日本国総領事館、ドイツ赤十字社
Haus der Ärzteschaft,C.Bechstein GREY 

日独交流150周年認定行事



演奏者一同、皆様のご来場を、お待ちしております。

演奏者、曲目などの詳細については
追ってまた、お知らせ致します。

2011年3月16日水曜日

東日本大震災

大変な地震が日本を襲いましたね。

異国の地にいるわたしたちとしては、
おろおろしたり、落ち着かない日々を
すごしたり、と
不安定な気持ちになってしまいますが
日本に住む被災地の皆さんが、踏ん張って
毎日を闘い、生き抜いていることを
考えると、そうもしていられないという気持ちになります。

PIANOSOLIでも何かできることはないか、
どうしよう、、と考えていたところ
デュッセルドルフ在住、さる友人から、
チャリティコンサート(義援金募金)
の企画について発起という話が持ち上がり、
少しずつ計画が動き始めているところです。

まだ確認はしていませんが、
おそらく、メンバーのほとんどが
このコンサートに出演することになりそうです。

詳しい日程、内容など決まり次第、順次お知らせ
して参りますので、しばし、お待ち下さい。

2011年2月16日水曜日

野生の詩

こんにちは。
ピアノソリメンバーの藤枝有紀子です。
今回の演奏会では、
ヴィラ=ロボス作曲『野生の詩』を演奏いたします♪

曲目解説は、当日のプログラムをご覧いただくとして、
ブログでは、この作品と私との
『個人的関係』を綴ることにいたしました。

ヴィラ=ロボスのピアノ曲には、
お世話になっていたピアノの先生を通して、
小学生の頃から親しむ機会がありました。
ただ、ブラジルの代表的作曲家とはいえ、
まだまだ彼の作品が演奏会で取り上げられる回数も、
入手できる録音も非常に少なく、
門下生の発表会や先生のリサイタルでしか、
耳にする機会はなかったため、
子どもなりに
『他にどんな曲があるのだろうか?』と思ってはいたのですが…

『野生の詩』を初めて聴いたのは、音楽大学の図書館。
オーディオコーナーで見つけた
『ヴィラ=ロボス・ピアノ曲全集』
というレコード(!)を通してでした。

それまで聴いたことのなかった種類の音楽で、
その圧倒的なパワーに驚くばかり…。
すぐに楽譜を借りて眺めてみましたが、
当時の自分では『解読不能』と判断し、
いつか弾きたい曲として、心に留めておくことに…。

それから10年近く経過して、
この曲の生演奏と出会ったのは、
留学中だったデュッセルドルフ音楽大学のホール。
私の担当教授でもあったロベルト・シドン氏による演奏でした。
ピアノという楽器を鳴らしきった
迫力のある演奏に度肝を抜かれ、
録音での出会いの印象も
吹き飛ぶ勢いだったと記憶しています。

そして、長い片思いの末、
ようやくこの作品を『自分で演奏する』ことになったのは、2009年。
日本でのリサイタルのお話をいただいたことが契機となりました。

暴力的とも思えるほどの音の積み重ねや、
密林を思わせるような音響など、
様々な要素が交錯するこの作品とは、約1年半ぶりの再会です。
『野生児』を自認していたという
ヴィラ=ロボスの世界、あなたも体験してみませんか?

テーマと変奏

こんにちは!梅谷初と申します。
今回のピアノソリの演奏会では、
フランシス・プーランクの「テーマと変奏」
を演奏する予定です。

プーランクはたくさんの歌曲の名曲を残しており、
その中から過去に、
「動物詩集」、「メタモルフォゼ」、「バナリテ」
に取り組んだことがあり、
親しみやすい旋律と、その軽やかさが大好きで、
いつかピアノソロを演奏する機会を
持ちたいと思ってきました。

プーランクといえば、西洋音楽史では、
オーリック、オネゲル、ミヨーなどとひとくくりにされ、
「フランス6人組」のひとりとして
一般的に認知される作曲家ですね。

作風には、サティや、ストラヴィンスキーの影響が強く見られ、
フランス的伝統に従いながら、
プーランク節とでも言えるような、
非常にユニークな個性があって、
まるでパレットをひっくり返したような、
にぎやかな色彩感覚と、
軽妙洒脱という四文字熟語がぴったりお似合いの
ユーモア、そして、メランコリ。。。。

このサロン的な明るさ、後味の残らない軽さとは対照的に、
親しい友人を交通事故で亡くしたことから、
信仰心を篤くし、
多くの宗教曲を残してもいます。
第二次大戦中は、作曲によるレジスタンス活動も行い、
戦後は多くの演奏活動に励みました。
1963年に心臓麻痺のために64歳の生涯を閉じました。

さて、今回演奏するテーマと変奏は、
変イ長調の古典的なテーマで幕を開け、
10の変奏でさまざまな調とテンポ、
気分(喜び、メランコリック、皮肉、情感、おしゃべりなど)
をころころと変えながら、
フィナーレへと進んでいきます。
たくさんの顔を持つ、
多重人格者みたい??

でも、誰もがみんな、気がつかないうちに、
色々な場所、場面で、
いろんな自分を
使い分けているのかもしれないですね!

この分裂気質、そして、
それをどんな場面においても、
フランス風エスプリたっぷりに表現するプーランク、
をしっかり味わい、体験したいと思います。

夜のガスパール

今回、ラヴェル作曲、
夜のガスパールを演奏する江藤早織です。

ラヴェルは、ドビュッシーと共に
フランス印象派を代表する作曲家。

ラヴェルといえば、
管弦楽曲“ボレロ”や
ムソルグスキーの“展覧会の絵“の
オーケストレーションで
よく知られていますね~。
自分で曲を作曲するだけでなく、
他人の曲をオーケストラバージョンに
編曲するのが得意な人でもありました。

ラヴェル自身、
技巧派のピアニストでもあり、
当時、最難曲と言われていた
バラキレフ作曲の“イスラメイ”に対抗し、
もっと難しい曲を作ると誓言して
作曲されたのが、この“夜のガスパール”。

フランスの詩人、ベルトランの散文詩から
3つの詩をモチーフに(オンディーヌ、絞首台、スカルボ)
書かれた夢幻性にあふれ、
夜の怪奇な雰囲気を見事に表現した曲です。

(超短縮版でプログラムに詩を記載しています。)

“ガスパール“とは、悪魔のこと。

第1曲、オンディーヌ(水の精)。

ラヴェルは、水を音楽で表現するのが得意であった。
さざ波を表す32分音符に、
何とも言えぬ美しいゆったりとしたオンディーヌの旋律。

時にはゆったり、時には激しく。

第2曲、絞首台。

終始一貫してなり続ける変ロの音。

絞首台にぶら下がった死体が
夕日に赤々と浴びせられている。
夜風、罪人の溜息、町に響く鐘の音・・
なんとも薄気味悪い曲。

第3曲目、スカルボ。

不気味な悪霊が
一本足できりきりと飛び回る様が、
激しいリズムの刻みで想像される。
この“スカルボ“は、
まさにピアニスト泣かせの超絶技巧曲で、
この曲を弾きこなすのは至難の業。

この不気味で奇妙な“夜のガスパール“ですが、
内容的にも技術的にも、かなり深い曲です。
どこまで、奇妙さを表現できるか・・・
ピアニストとして、
一生の課題となるレパートリーの1曲です。

月光ソナタ op27-2

「あっ、この曲なら知ってる!」
ピアノ曲をよく知らない人でもそう言うほど、
ベートーヴェンソナタの中でも
人気の高い、「月光ソナタ」です。

しかしこれは作曲者が付けた名ではなく、
後に詩人のレルシュターブが第1楽章について
「ルツェルン湖の月光の波に浮かぶ小舟のよう」
とコメントしたことが名前の発端になりました。

ベートーヴェンはこの曲を、
ピアノソナタ13番とともに、
「幻想曲風に」と名付けています。

高貴な身分の女性ばかりを
恋したというベートーヴェンは、
この曲を17歳の弟子の
ジュリエッタ・グイチャルディ伯爵令嬢に捧げました。

この曲を初めて弾いたのは、
高校の時のピアノのテスト。

最近ベートーヴェンから
遠ざかっていたので、
久しぶりにまた弾きたくなりました。

新しい曲をする時間もなかなか取れず、
昔やったものを・・・
と引っ張り出したのがこれです。

やはり、ベートーヴェンは素晴らしい、
不滅だ!!と再確認しております。

幻想的な1楽章に始まり、
スケルツォ風な2楽章、
激情が迸る終楽章。

誰にでも分かりやすく、
芸術的にも完璧な
このソナタをお楽しみいただけたら幸いです。

ヴァラーシュタイン・西原典恵

2011年2月9日水曜日

2011年、第一回目のコンサートのお知らせ



記録的な大雪を更新した昨年を通り過ぎて、
すっかり冬らしい毎日に
馴染んでいたこの頃でしたね。

それがここ数日、まるで神様からの贈り物のように
優しく明るい日差しの春日和が続いています。
自転車で風を切って、はな唄でも歌いたくなるような
気持ちよい日々です♪

このままというのは、まず、
2月の始めのこの時期のドイツで
望むべきことでもないでしょうから
少しでも、冬に逆戻りの日が遠のくと良いですね。

勘違いして芽吹いてきてしまった、花の芽たちが
驚きすぎて、命を落としたりしませんように。

さて、きょうは
今年第一弾のPIANOSOLIの定期演奏会
のお知らせに参上しました。

2011年のPIANOSOLIは2回のコンサートを
予定しています。今回はその第一回目。
(ちなみに第二回目は、フランツ・リスト生誕200年
を祝うコンサートで10月(詳しい日程は未定)開催予定です)

今回のコンサートでは自由なテーマにより
各ピアニストが弾きたい曲目を選び
演奏するスタイルでお届けします。
ぜひ、足をお運び下さい!

プログラム、場所などは以下の通り。
<プログラム>
ルードヴィヒ・ファン・ベートーベン作曲
「月光」ソナタ OP.27-2

モーリス・ラヴェル作曲
夜のガスパール

フランシス・プーランク作曲
テーマとバリエーション

エイトル・ヴィラ・ロボス作曲
野生の詩


<場所、日時>
Stilwerk内 Stilwerk forum(ベヒシュタイン近接のホール)
Grünstr.15 Düsseldorf
2011年 2月27日(日) 15時開演
協力:C・ベヒシュタイン

*ピアノソリのコンサート活動は皆様の寄付によって
成り立っております。ご協力に感謝致します。

次回からの記事では各メンバーが
それぞれの演奏曲目についてのコメントを
掲載いたしますので、乞うご期待!