2014年2月26日水曜日

Vielen Dank!2月23日のコンサートを終えて



先日、お知らせ致しましたように
去る2月23日、日曜日、stilwerkのホールにて
無事に、Blumen und Naturがテーマの
コンサートを終える事が出来ました。

今回は、今までのようにひとりの作曲家をテーマにせず、
ひとつのモチーフから、様々な作曲家の作品を演奏するという
視点だったので、メンバー全員にとって新しい試みであり、
気持ち新たに再スタートを切れたような、そんな感触でした。

来て頂いた皆様からは、多数の良い反響も頂き、
お陰様で、募金額も過去最高額を数え、
これからの活動の励みにしていくことが出来ます。
誠にありがとうございました。

次回のコンサートの予定は、今の時点ではまだ
決まっておりませんが、
テーマ、期日等、決まり次第
また、このブログにて
お知らせしていきたいと思います。

今回来て頂いた皆様、また、来られなかった皆様、
私達、PIANOSOLIはこれからも、
日々音楽家として、地道に毎日の精進を怠らず
常に進歩して行きたいと思っておりますので、
これからも、何卒、応援をよろしくお願い致します。

PIANOSOLI一同

Guten Tag meine Damen und Herren, 

wie Sie vielleicht wissen, 
haben wir am 23.Februar unser Konzert gegeben. 

Wir möchten uns bei allen bedanken, 
die dieses Mal dabei waren und den Nachmittag 
zu einem schönen Erlebnis gemacht haben. 

Dieses Mal war es für uns eine ganz neue Erfahrung,
 denn wir hatten uns ein Thema ausgesucht 
und uns dazu passend Klavierstücke ausgewählt. 

Wir selbst hatte sehr viel Spass daran 
und haben auch viele positive Rückmeldungen bekommen. 

Nun hoffen wir, dass es auch Ihnen gefallen hat. 

Noch haben wir kein neues Konzert geplant 
aber wenn wir soweit sind, 
lassen wir Sie das natürlich über diesen blog wissen. 

Vielen Dank für Ihre Unterstützung und auf bald.

Liebe Grüße
Ihre PIANOSOLI

*Photo von NOION




2014年2月15日土曜日

アルベニス「草原」

これまでのピアノソリ活動では、「作曲者の生誕祝い」コンサート、
または自由曲を主に披露してきましたが、
今回のテーマは、初めての試みである「花や自然」。

たくさんありそうで、そうでもないこのモチーフ・・・
漠然としながら曲探しを始めました。
まず作曲者アルベニスが思い浮かび、
それから彼の『自然』をモチーフにした曲を探したところ・・・ありました!
それが今回のLa Vegaとの出会いです。

La Vegaとは『草原』という意味で、
場所はスペインのグラナダです。
VegaのVはBのように発音するとか・・・。
この曲は、『アルハンブラ組曲』の第1曲目として書かれましたが、
ついに続きは作曲されず、
単独の曲となりました。

フラットが7つ、つまり全部の音にbがつきます。
そのためにダブルフラットなども頻繁にあり、
音符がド、ミ、ソでも、鍵盤上ではシ、レ、ファの場所にあるようで、慣れるのが大変。

それからpp、ppp、ppppと果てしなく
弱音の可能性を要求されます。
頬にやさしく当たるようなあたたかい風、
広大でゆったりとした音楽の中に、
ギターを激しくかき鳴らすような、装飾音のたくさんついた音の嵐が入り込み、
荒れ狂い、そして嵐は過ぎ去り、静寂が訪れます。

ミステリアスでスペイン情緒たっぷりなLa Vega、
どうぞお楽しみください。

ヴァラーシュタイン西原典恵

シューマン 「花の曲」、ヤナーチェク 「霧の中で」 

花の曲 シューマン


この作品は、シューマンが大変敬愛していたジャン・パウルという
詩人の文学からのインスピレーションを得て作られ、
花の曲と名づけられたと言われている。


この曲が作られた1839年の、その翌年、
もう兼ねてからかれこれ何年か望み続けて来たが、
父の猛反対で滞っていたクララとの結婚を
晴れて果たすことが出来たシューマンであった。

この為、ついにかなった喜びが、はち切れ、
堰を切ったようかのように、
この1840年には、「ミルテの花」「詩人の恋」「リーダークライス」
「女の愛と生涯」など、主要な歌曲の大半が作られ、後に「歌曲の年」と名付けられる。
この直前の年、二人はついに訴訟を起こすまで、
切羽詰まっていたのだが、愛の高まりは、
それだけに溢れんばかりだったのではないかと想像する。
そして、決してこじつけではなく、これらの一連の歌曲につながるエッセンスを、
感じることが出来る。

ここに言葉は欠けているが、
目を閉じるとはっきり、小さく清楚な野に咲く一輪の、
凛として健気に美しい風情が見えて来るようだ。
そこに大きなドラマはないが、静かにただ、
ひたひたと流れる静かな愛の波動を感じることが出来る。

そう、ことにクララ命♡全開の時代の
シューマンの作品と思って聴いて、共に楽しんで頂けたらと思う。
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霧の中で ヤナーチェク作曲

ヤナーチェクは今まで
室内楽、歌曲作品などでも演奏者として
触れて来たこともなく、全くの
初めましてであり、まずは小さく歩みを縮めながら
お知り合いになるところから作業が始まって行った。
その和音の響きは何か、とても琴線に触れるところがあって
どこかで聴いたことがあるような懐かしさがあるのに
全くの初めての感覚というのか、何かとても不思議な、ざわざわとした手触りがある。
この曲独特の持ち味なのかもしれないが、
何か、境目から向こう側へ、異界へと連れられて行ってしまうような
ふっと、足を踏み外して、違う世界へと移行してしまうような
そういう引力をこの作品に強く感じる。

ヤナチェクはこの年、長女のオルガを亡くし、
(写真を見るとけっこう、大きな娘だったようだ)
プラハでのいくつかのオペラ上演の拒否の憂き目に合い、
精神的に打撃を受けていたという。
その、もやもやの、どこの場所へも行き着くことのない
彼の閉塞感をこの作品が現しているということだ。

その、感覚的な行き場のなさ、
当て所もなく彷徨う感じが、
霧の中で呆然と立ち尽くし、絶望している様そのものであるようだ。

以下に少し、構成的な説明を加える。


第一曲
アンダンテ
不思議な透明感のある旋律が、左手のオスティナート風の伴奏に
支えられ、微妙な色合いの変化を見せながら移ろいゆく。

第二曲
モルト・アダージョ-プレスト-グラーヴェ-アダージョ
二拍子の牧歌的な旋律を主題に始まり、
その主題の動機を展開させて
まるでほんとうに霧の中で迷っているかのような不思議な32分音符の
音型が続く。その旋律は更にプレストで、激しく、荒れ狂い、
また寂しげに虚ろに収束する。

第三曲
アンダンティーノ
ヤナチェクの生まれたモラヴィア地方の民謡は、
彼の作品に多用されたが、
この、民謡風の主題もそうなのだろうか。
これが過去の幸せだった記憶に聴こえてくるのは中間部の
激情のせいかもしれない。

第四曲
プレスト-アンダンテ-アダージョ
切なく激しく、しかし、時に無機質なほどに
厳しい旋律が吹き荒ぶ嵐のように展開して行く。
第三曲のモチーフの残骸のようなものも
見え隠れしている。

梅谷初

2014年2月14日金曜日

ベリオ「芽」「葉」、武満徹「雨の樹素描」「雨の樹素描Ⅱ」、シベリウス「5つの小品」op.75,op.85

今回の演奏会のテーマ『花と自然』。
この機会に前々から弾いてみたかった曲を、並べてみました。

『芽』『葉』は、1990年に書かれた作品。
前者は、どこまでも密やかに。
後者は、動きはあれども一つにつながった響き。
どことなく、生物の授業を連想させられるのは、私だけでしょうか?

シベリウスの『5つの小品』は、それぞれ『花・樹木』をテーマにしています。
両作品とも、第一次世界大戦の間、外国での演奏旅行を諦めざるを得ず、
ドイツの出版社からの印税も途絶えて、経済的に困窮していた
シベリウスが、生活のために量産したピアノ作品群に属します。
(その間、、交響曲第5番の作曲と改訂も粘り強く継続。)

op.75 『ひな菊・カーネーション・あやめ・金魚草・つりがね草』
op.85『ピヒラヤの花咲く時・孤独な松の木・ハコヤナギ・白樺・樅の木』
まるで、美しい絵葉書セットを思い起こさせる、魅力的な小曲ばかりです。

武満徹の『雨の樹 素描』は、ノーベル賞作家の大江健三郎氏が1980年に
発表した『頭のいい雨の木』という短編小説に触発されて書かれた作品。
前日の雨を、葉に蓄えて乾燥することのない頭のいい雨の木。
空から降ってくる雨、水分を蓄えて重たげな雨の木の葉、そこから滴る水。
湿り気の感じられる、不思議なサウンドです。
この作品の初演を受けて、大江氏は『「雨の木」を聴く女たち』を執筆。
その後、作品は同名の連作長編小説となって発表されました。

『雨の樹 素描 ll 〜オリヴィエ・メシアンの追憶に〜』は、
20世紀の欧州現代音楽会を牽引した作曲家で、1992年に亡くなった
オリヴィエ・メシアンの追悼演奏会のために書かれた作品。
中間部の『joyful』では、敬虔なカトリック信者でもあった
メシアンが迎えた『永遠に失うことのない真の幸福への門出』が
描かれているように感じられます。

自然の一端を担う『植物』にまつわる作品の数々。
お楽しみいただければ、幸いです。

藤枝有紀子 

ロベルト・シューマン: 「森の情景 op.82」

 
1. 森の入口 2.茂みの中で獲物を待ち伏せる狩人 3.孤独な花 4.気味の悪い場所
5.親しみのある風景 6.宿 7.予言の鳥 8.狩りの歌 9.別れ


シューマンのよく知られているピアノ曲の多くは、20代に書かれたものでしたが、
この《森の情景》は、歌曲や室内楽を多産した時期を経たのち、1848年暮れから翌年にかけて作曲されました。
完成までには約ひと月を要しました。ピアノ作品としては実に10年ぶりの作品。
 
以前のピアノ作品と比べ、文学と音楽との結びつきは深みを増しているようです。
各曲はロマン派詩人たちの描いた「森」をモチーフに作曲されたと言われ、
当初は各曲のモットーとして詩を添える予定であったようです。

ドイツ・ロマン主義者の文学者、とりわけ詩人にとって、
「森」とは、静寂・活気、神秘、憧憬、といった多様な趣を持つものでありました。

しかし出版に際しては、第4曲目の「気味の悪い場所」
にフリードリヒ・ヘッベルの詩が添えられているのみです。
それはシューマンは当時の標題音楽の観念を避け、
音そのものからの色感をより求めていたからであって、
出版までに詩を省くかどうか考えた末、1曲だけ残す結果となりました。
 
構成に注目してみると第5曲目を中心にして、
曲の前後で呼応しあっています。
第1曲目と第9曲目で「入口」と「別れ」。
第2曲目と第8曲目で「狩り」のテーマ。
第3曲目の「花」と第7曲目の「鳥」は自然界の代表的な存在。
第3曲目と第6曲目では「気味の悪い場所」に対して安全な「宿」という風にです。
調性の上でも、まず始まり、真ん中、終わりの曲(「森の入口」、「親しみのある風景」、「別れ」)
でこの曲集の主となる変ロ長調を用いています。
そして第3曲目の「孤独な花」でも変ロ長調を用い、
それと呼応する「予言の鳥」では平行調のト短調が用いられています。
さらに注目すると、2曲の不気味さを表現している曲、「茂みの中で獲物を待ち伏せる狩人」と
「気味の悪い場所」がニ短調で書かれ、それらに呼応する「狩りの歌」と「宿」は変ホ長調で書かれている点です。
これらの内容から、シューマンの代表曲集でもある「子供の情景」と構成上で大きく異ると言えるでしょう。

今回の私達のテーマは「花と自然」。
普段は癒やされるものとして捉えられがちですが、
このシューマンの「森の情景op.82」からは寧ろ美しさだけでは終わらない、
自然の脅威や強さ、不気味さというものが強調されているように思います。
様々なな旋律から、森の声を聴きとっていただけるのではないでしょうか。
 

滝村乃絵子

2014年2月10日月曜日

Blumen und Natur

2月23日のコンサートのお知らせ



今年も早いもので、一ヶ月がとうに過ぎ去り、
厳しい冬を実感することもあまりない温かさのなか
日も少しずつ長くなって来て、春もそう遠くないように
感じられる気がしてきます。
皆様には、その後お元気でお過ごしのことと思います。

私たち、ピアノソリは、
昨年の暮れに予告致しましたように、
今年から気分新たに、テーマを一新し
再スタートいたします。

今回のコンサートはその第一弾、
「花と自然」をテーマにした曲を集め、
演奏する予定でございます。

先に申しましたように、春の訪れを先取りするように、
森や、花や、水や、木や、鳥や何やかや
をモチーフに作られた作品を、皆様と一緒に愛で、
楽しむ時間にしたいと思っております。

皆様のご来場をピアノソリ一同、お待ちしております。

当ブログでは、コンサートまで、数日かけて
演奏者自身による曲目解説を順次UPを予定しておりますので
そちらも、重ねてご覧くださいませ。  

PIANOSOLI


プログラム、期日などは以下の通り。

2014年 2月23日 日曜日 14時半 入場 15時開演
stilwerk 地下一階 ベヒシュタイン脇のホール
入場無料(今後の活動の為に当日、
募金箱を設置しております。
皆様のご協力に感謝いたします。)
協力:ベヒシュタイン・デュッセルドルフ

演奏:ピアノソリ(梅谷初、ヴァラーシュタイン西原典恵、
ロベルタ・プラータ・クレメンス
滝村乃絵子、藤枝有紀子、)*あいうえお順

☆プログラム☆


森の情景 op. 82/    ロベルト・シューマン(1810-1856)
1.森の入り口  2. 茂みの中で獲物を待ち伏せる狩人
3. 孤独な花  4. 気味の悪い場所
5.親しみのある風景  6. 宿
7.予言の鳥  8. 狩の歌 9. 別れ

芽 / ルチアーノ・ベリオ (1925-2003)
5つの小品(花の組曲) op.85 / ジャン・シベリウス(1865-1957)
 ひな菊
 カーネーション
 あやめ
 金魚草
 つりがね草
葉 / ルチアーノ・ベリオ (1925-2003)

映像より、「水の反映」 /クロード・ドビュッシー(1862-1918)
夜の花/ロベルタ・ プラータ・クレメンス
露のしずく /ロベルタ・プラータ・クレメンス
月の光/クロード・ドビュッシー(1862-1918)

-休憩-

花の曲/ ロベルト・シューマン(1810-1856)
霧の中で/ レオシュ・ヤナチェク (1854-1928)

草原/イサーク・アルベニス(1860-1909)

雨の樹素描/ 武満徹(1930-1996)
5つの小品(樹の組曲 op.75/ ジャン・シベリウス(1865-1957)
 ピヒラヤの花咲く時
 孤独な松の木
 ハコヤナギ
 白樺
 樅の木
雨の樹素描 ll / 武満徹 (1930-1996)
 ーオリヴィエ・メシアンの追憶にー

Das Konzert von PIANOSOLI
"Blumen und Natur"

Um14Uhr30 Einlass
Um15Uhr am Sonntag,
23.Februar.2014
stilwerk Untergeschoß
Grünstr.15 40212 Düsseldorf

Freundlichen Unterstuetzung von C.Bechstein Düsseldorf



(Der Eintritt ist frei.Wir freuen uns als Musiker aber
über eine kleine Spende wenn Ihnen die Musik gefällt.
Sie unterstützen uns damit für zukünftige Projekt.
vielen Dank.)

Programm im Alphabet

Am Fluegel:PIANOSOLI

Waldszenen op. 82/R. Schumann(1810-1856)
1.Eintritt 2. Jäger auf der Lauer
3. Einsame Blumen 4. Verrufene Stelle
5.Freundliche Landschaft 6. Herberge
7.Vogel als Prophet 8. Jagdlied 9. Abschied

Brin/ L.Berio (1925-2003)
Fünf Stücke op.85/ J.Sibelius (1865-1957)
 Das Gänseblümchen
 Die Nelke
 Die Iris
 Das Löwenmäulchen
 Die Kampanula
Leaf/ L.Berio (1925-2003)

„Reflets dans l eau“ aus Image /C.Debussy(1862-1918)
Night flower/Roberta Plata Clemens
Tautropfen /Roberta Plata Clemens
Clair de lune /C.Debussy(1862-1918)

-Pause-

Blumenstück/ Robert Schumann(1810-1856)
In the Mists/ Leos Janacek (1854-1928)

La Vega/Isaac Albéniz(1860-1909)

Rain Tree Sketch/ T.Takemitsu (1930-1996)
Fünf Stücke op.75/ J.Sibelius (1865-1957)
 Wenn die Eberesche blüht
 Die einsame Fichte
 Die Espe
 Die Birke
 Die Tanne
Rain Tree Sketch ll / T.Takemitsu (1930-1996)
 - In Memoriam Olivier Messiaen -