今回の『10周年記念演奏会』で、私が取り上げるのは、リスト。彼が1835年から1836年にかけて、マリー・ダグー伯爵夫人とともに滞在したスイスの印
象をまとめた『旅人のアルバム(1842年に出版)』に手を加えて、1855年に発表した『巡礼の年
第1年
スイス』からの2曲です。
自由を愛したシラーの描いた、スイス建国の父への荘厳なオマージュ『ウィリアム・テルの聖堂』そして、絶え間なく湧き出る泉の清らかで瑞々しいエネルギーを華麗な『泉のほとりで』。
どちらの曲にも、フリードリヒ・シラーの一節が題字として記されています。文学にも造詣の深かったリストが選んだ短い一節は、それぞれ次の通り。音楽とともに、ほのかに文学的な香りもお楽しみいただければ、幸いです。
『個人は全体のために、全体は個人のために』
『囁くような冷たさの中で、若々し自然の戯れが始まる』
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