2017年1月30日月曜日

クロード・ドビュッシー「ノクターン」     (解説 梅谷初)

ドビュッシーがピアノのために作曲した、唯一のノクターンで
この他、オーケストラのために作曲された「三つのノクターン」があります
ピアノのためのノクターンは、1892年に作曲されています
これは、ドビュッシーの作品の中で、中期にあたり、
この翌年に、弦楽四重奏曲が、また、翌々年に、「牧神のための前奏曲」
が発表されています

暗い海を思わせるような、ロ短調のユニゾンから始まって、
次第に熱を帯びるような盛り上がりを見せ、
"tres doux"(とても穏やかに)の記載とともに、
静かにイ長調へと移行します。
拍子が4分の4から、4分の7へ変わると、ピアノの記号が三つになり、(PPP)
へ長調へ移行、ますますゆったりとした性格になり、異界への鐘のような和音が鳴り響いて、へ長調のドミナントの和音が鳴り響き、クライマックスへ。
その後、また、拍子は元の4分の4へと戻っていき、テーマが回帰します。
コーダは変ニ長調で軽やかに締めくくられます。

非常にドビュッシーらしいというよりは、ショパンのような性格の、
ロマンティックな作風のように思います。
物憂い雰囲気を帯びていながら、
暗い情熱のような部分もあり、
それらの音の彩りの変化を、自在に表現できたら良いなと思っております。


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