2011年2月16日水曜日

テーマと変奏

こんにちは!梅谷初と申します。
今回のピアノソリの演奏会では、
フランシス・プーランクの「テーマと変奏」
を演奏する予定です。

プーランクはたくさんの歌曲の名曲を残しており、
その中から過去に、
「動物詩集」、「メタモルフォゼ」、「バナリテ」
に取り組んだことがあり、
親しみやすい旋律と、その軽やかさが大好きで、
いつかピアノソロを演奏する機会を
持ちたいと思ってきました。

プーランクといえば、西洋音楽史では、
オーリック、オネゲル、ミヨーなどとひとくくりにされ、
「フランス6人組」のひとりとして
一般的に認知される作曲家ですね。

作風には、サティや、ストラヴィンスキーの影響が強く見られ、
フランス的伝統に従いながら、
プーランク節とでも言えるような、
非常にユニークな個性があって、
まるでパレットをひっくり返したような、
にぎやかな色彩感覚と、
軽妙洒脱という四文字熟語がぴったりお似合いの
ユーモア、そして、メランコリ。。。。

このサロン的な明るさ、後味の残らない軽さとは対照的に、
親しい友人を交通事故で亡くしたことから、
信仰心を篤くし、
多くの宗教曲を残してもいます。
第二次大戦中は、作曲によるレジスタンス活動も行い、
戦後は多くの演奏活動に励みました。
1963年に心臓麻痺のために64歳の生涯を閉じました。

さて、今回演奏するテーマと変奏は、
変イ長調の古典的なテーマで幕を開け、
10の変奏でさまざまな調とテンポ、
気分(喜び、メランコリック、皮肉、情感、おしゃべりなど)
をころころと変えながら、
フィナーレへと進んでいきます。
たくさんの顔を持つ、
多重人格者みたい??

でも、誰もがみんな、気がつかないうちに、
色々な場所、場面で、
いろんな自分を
使い分けているのかもしれないですね!

この分裂気質、そして、
それをどんな場面においても、
フランス風エスプリたっぷりに表現するプーランク、
をしっかり味わい、体験したいと思います。

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