2013年6月10日月曜日

ショパンの主題による変奏曲

『ショパンの主題による変奏曲 作品22』
作曲家であり、自作自演活動をしたピアニストでもあり、また指揮者でもあったラフマニノフ。
2メートル近くも身長があり、ピアノという楽器を最大限に生かした力強い演奏、
そして並外れた大きな手からこぼれるメロディのなんと甘美なことか・・!
私にとって、最もロマンチックだといえる作曲家の一人です。彼が生きている間は、
「古いタイプの作曲家」「彼の時代は長く続かないだろう」などと、酷評
を買うこともありましたが、現代ではそれどころか、最も人気の高い作曲家の一人であり、
ピアノ弾きなら誰もが1度は弾いてみたい!ラフマニノフではないでしょうか。

今回演奏する「ショパンの主題による変奏曲(1902~1903年作曲)」は、
実はそれほど一般的に知られていません。
主題は、ショパンの前奏曲20番ハ短調「コラール風」から来ており、
ピアニストのアルフレッド・コルトーはこの前奏曲を「葬送」と名付けました。
このテーマ、ショパンの原曲では3段分ありますが、ラフマニノフははじめの2段のみ取り入れています。
和音構成のテーマが厳かに始まり、そして第1変奏曲に入った瞬間ラフマニノフの世界に
引き込まれます。それからは、実にさまざまな表情をもつ全22の変奏によって、複雑に、
大規模に展開されていきます。ヴィルトォーソ的要素がふんだんに取り込まれた曲。
どうぞお楽しみください。
(ヴァラーシュタイン西原典恵)

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