2015年2月19日木曜日

カプースチン作曲 8つの演奏会エチュード Op.40より 「プレリュード」ほか 演奏者 ヴァラーシュタイン西原典恵

今回のテーマは「世界のピアノ曲」、広い広いテーマです。きっと星の数くらい(?)ある世界中のピアノ曲からほんの1部、一体何を弾こうか・・・私達メンバーはそれぞれ考えました。そして私は今回、日本、東南アジア、東ヨーロッパの作曲者またはその地に因んだ曲を数曲演奏することにしました。全員の集まったプログラムは全大陸から勢揃い!聴くのが楽しみです。
伊福部昭:ピアノ組曲より「盆踊り」、「七夕」
日本人作曲家、伊福部昭は多数の邦画音楽、とりわけ「ゴジラ」のテーマ曲を作った人としても有名です。今回は『ピアノ組曲』の1,2曲目である「盆踊り」「七夕」に挑戦。両曲とも日本の伝統行事と関係があり、日本の情緒がたっぷり含まれています。日本組曲には続いて3曲目『演伶(ながし)』、4曲目『ねぶた』があります。
『盆踊り』では力強い大太鼓と笛の音が混じりながら、何度も繰り返され、次第に盛り上がりながら人々が踊り狂う様子がうかがえます。精気に満ちあふれる1曲。続く『七夕』は、風鈴が鳴るのを聞きながら、やさしく懐かしい子守唄を聞いているようです。昔に帰ったようなセピア色の夏の風景が目に浮かぶよう。
ゴドフスキー:ジャワ組曲より 「ガムラン」
ジャワ島のガムラン音楽を表した曲。その名の通り、いくつものガムランが共鳴しているような響きがします。始めはさわさわと静かに始まり、だんだん盛り上がって大音量に鳴り響き、次第にまた静かに幕を閉じます。ゴドフスキーの、見事なピアニスティックに仕上げた聴きごたえのある1曲。
キュイのノクターンは「4つの小品Op.22」のうちの3曲目である。
軍人であり、また毒舌な音楽評論家であったキュイ。「ロシアの5人組」(キュイ、バラキレフ、ムソルグスキー、ボロディン、リムスキー=コルサコフたち)と呼ばれるグループの中の一人ですが、存在は薄いようです。晩年は失明してしまい、口述で作曲活動をしたとか。また批評家としてはかなりの毒舌家だったようで、ラフマニノフが交響曲1番の不評を買い、神経症になってしまったことは有名ですが、このキュイが批判していたようです。そんな口の悪い(?)キュイの風格とは裏腹に、このノクターンはすーっと誰にでも受け入れられるような素直な曲想をしており、旋律も大変美しいです。
ショスタコーヴィッチ:3つの幻想的な舞曲  Op.5は、彼の16歳の時の作品。音がふんわり飛んだり落ちたり・・・まるで鳥が、自由自在に踊っているかのよう。この曲は管楽器や弦楽器用などにも編曲されています。1.マーチ 2.ワルツ 3.ポルカ
カプースチン:8つの演奏会用エチュードOp.40より 『プレリュード』
演奏会用エチュードはカプースチンの曲の中でも人気が高く、よく弾かれているようです。プレリュードでは、ラテン系の明るいシンコペーションのリズムと両手のめまぐるしい音の動きが打楽器のように聞こえます。これを指定のテンポで弾くのは至難の業ですが、歯切れのよいジャズ・ロックのリズムが生み出す明るさがとても魅力的です。


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