フェルッチョ・ブゾーニ
「シャコンヌ」について
1866年生まれで、今年が生誕150周年になる作曲家、フェルッチョ・ブゾーニの代表作の一つである、「シャコンヌ」。
ヨ
ハン・セバスティアン・バッハが、35歳だった1720年、ケーテン時代に書かれた「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」という曲集の中の
パルティータ第二番二短調BWV1004からの5曲目、シャコンヌを下敷きにピアノソロ用に編曲された名曲です。ヴァイオリン一本で、重音など、高度の技
巧を駆使しながら15分近く、主題を30回以上も繰り返し変奏していく大曲であり、ヴァイオリンの重要なレパートリーの一つとしても、広く知られていま
す。シャコンヌというのは17世紀頃のスペインを起源とする、三拍子の変則的な舞曲であり、当時のヨーロッパでは、多く作曲されています。
このシャコンヌには、もう一つ、ブラームスが左手のために編曲した、ピアノソロ版があり広く演奏されてきました。
シャコンヌ原曲、ブラームスの左手のためのシャコンヌ、そして、このブゾーニの編曲版を改めて、全て聴きなおしてみるとその作品に内包された魂が浮き彫りにされて、はっきり見えてくるようで、なかなか面白いと思います。
シャコンヌ ブゾーニ/バッハ
https://www.youtube.com/watch?v=NKYyiD8ypCo
ルービンシュタイン
シャコンヌ ブラームス/バッハ
シャコンヌ バッハ(ヴァイオリン)
ブゾーニは、イタリア人として生まれ、子供時代は神童として名を馳せました。20歳の時にドイツに移り住んでから、途中、モスクワ、アメリカ、スイス、オーストリアなどに滞在しながらも、人生のほとんどをドイツで過ごしました。ブ
ゾーニの作品は死後、長い間、その多くが無視されてきましたが、偉大なヴィルトゥオーゾピアニストとしてや、バッハ作品の編曲者として、また来るべき現代
音楽の理解者として記憶はされており、1980年以降、徐々にブゾーニ作品への興味が蘇り、演奏される機会がも増えて来たようです。
恥ずかしながら、私もほとんど、ブゾーニの作品に触れたことがなく、今年150年の生誕年、偶然この作品を演奏することになったのも、何かの縁かもしれないので、今年はブゾーニの作品を色々聴いてみようと思っています。
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